2011年10月14日金曜日

初めてのSOLO

以前、教官に飛行機は女の子と同じだ。だから女の子のように扱えと言われた。
「毎回のように機嫌がコロコロと変わるから、メンテが大切なんだ。」

まず、飛行機に乗る前にチェックを行う。
翼に傷はないか、ナットは付いているか、燃料タンクに水は入っていないか、機体をトントンと叩いて音を聞くなど多くの箇所を点検する。そうしないと、空中で機嫌を損ねて、うまく飛ばなくなることもあるからだ。

比べてみるとよくわかるが、待ち合わせの時に女の子の髪型、服装や化粧の変化に気づかないと何故か不機嫌になる、あの不思議な法則と同じである。

僕の機体(citabria)はかなりの頻度で、どこか問題が起きる。
この4ヶ月で6回ほど修理を行なっている。うち2回は、致命的である。
そのまま数回乗っていたら、無事に天国まで飛んでいったかもしれない(苦笑)
なので、この最初の点検は結構重要である。
ちなみに、citabriaは逆から読むとair(aero)baticとなっているように、曲芸飛行ができる飛行機である。


火曜日の飛行練習は、いつもの三角関係だった。
citabriaと僕と教官の3人で着地の練習である。
しかし、三回目の着地を行ったあとで、教官が何気なく「ログブックとメディカルは、どこにある?」と飛行中に聞いてきたのである。
僕は、「カバンの中にあるよ」と言った。
単なる確認だと思っていたが、しばらくして教官が管制塔に向かって、変なところで駐機の許可を申請した。


なんだろうと思っていたら、急に教官が飛行機を降りたのである。
教官から「さぁ、自分一人で3回着陸をやれ」と言われた。
僕は、「NOOOOO!」と腹の底から大声で叫ぶ。


嬉しいようで、怖いのだ。


どうやら、空中でログブックとメディカルにSOLO許可サインを記入していたのである。
もうそろそろだと予想はしていたが、まさか事前に教えてくれないとは思わなかった。
「事前に教えたら、お前はびびるだろ?そしたら今日の着陸練習に影響が出てしまっては、
今日SOLOができないからな」と言われた。
心のなかで「なるほど」と思った。

ここまで到達するのに、飛行時間が28時間も費やしてしまった。本当に長かった。。。
早い人は、10時間ぐらいでSOLOをする人もいる。大体20時間が平均だろうか。

そして、突如として初めてのcitabriaとの二人きりのデートである。本当にドキドキする。
なぜなら、失敗は許されないからだ。失敗は、時には死を意味する(苦笑)
恐怖で汗をちびりながら、なんとか3回着地に成功した。

無事に生きていられることに喜びを感じた、一日でした。