2011年9月7日水曜日

「緊急事態宣言」とかけて「飛行機の操縦」と解く、その心は「足が地に着かない」

我ながら、上手いこと言ったなぁ!今世紀最高傑作!


僕が練習を終えて駐機場に戻すときに、別の飛行機を運転しているパイロットがラジオで緊急事態を宣言した。


どうやら離陸後に、飛行機に付いている交流発電機がうまく作動しないらしい。
電気が作れないので、電源はバッテリだけ。
そのため、すぐにラジオ通信もできなくなる。
その後は、バッテリパワーが足りないので着陸するためのフラップも出せない。
だから、緊急事態宣言!


僕は、これは珍しい経験だぞと耳をすます。
管制塔は、離陸直後のヘリコプターは素早く道(空)を開けるように指示。
周りにいた飛行機も、すぐさま道(空)をあける。
パイロットは、別の空港に着陸すると宣言してからラジオが途絶えた。


僕は、大丈夫かなぁと思っていたら、指導教官が一言。
「笑っちゃうよな!この空港は2500ftあるから、フラップがなくても着陸できるよ。
彼は、書類はもちろん、もしかしたら別の空港から訴えられるかもしれないぞ。
この状況を、緊急事態だと判断するのは、非常にまずいね。」


正直、僕は何が言いたいのか分からなったから、指導教官に後で詳しく聞いてみた。

教官は「きっとパイロットは、こう考えたんだ。フラップがなければ、この空港の滑走路では短すぎる。だから長い滑走路のある別の空港に着陸しようと。」


僕はなるほど!と思ったが、教官は続けて言った。
「うまく着陸すれば、この空港でもフラップなしで着陸できるよ。
彼にとっては、初めての交流発電機の故障だろう。ビビって、冷静な判断が出来ていない。」


帰り際に別の教官が「俺は交流発電機が53回壊れたことがあるけど、一度たりとも緊急事態だと思ったことは一度もないぜ!」


この状況下で、僕も指導教官のように、笑いながらこんな判断が出来るのかなぁと内心思った。
足が地に着かない状況下でも、冷静な判断をするにはそれなりの訓練が必要なのかもしれない。