これが、2次の出口面接で聞かれた最初の質問。石油関連の会社である。 
日本では応募者のストレス耐性を見るために圧迫面接というものがあるらしいが、 
そんな圧迫面接に代わるようなユニークな面接を先週受けた。 
石油の井戸の掘削は、多くの人と設備が必要だから、時間を無駄にできないらしい。 
一度トラブルが発生すると、急いで直さないとその間に多くのコストがかかってしまう。 
だから、問題が起きると、デートの最中でも、スーパーで買い物している途中でも、呼び出しがかかることがあるそうだ。 
24時間連続勤務が1年に何回もあり、運が悪いと72時間勤務も一年に一回ぐらいある。 
その代わり、休暇が多い。 
また、この会社の研修は非常に充実しているから、最初の研修期間で約半分が脱落してしまう。 
だから、事前にストレスに耐えられる人を見極めるために、ユニークな面接を行うのだろう。 
もちろん一次面接を通過した人たちも、ガタイがいい。トライアスロンなどを趣味にする人もいる。 
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今思うと、飛行機を予約してくれたところから、試験は始まっていたのかもしれない。 
飛行機は朝6時の出発で、送迎シャトルは午前3時に家に迎えに来る。 
面接会場はホテルで行われて、午後6時から開始。 
はじめに、リクルーターの2人が会社の概要についてプレゼンをする。 
そのプレゼンの最中は、会社に興味があると同時に自分の存在感を示すために、沢山質問する。 
その後、あらかじめ割り振られたグループでグループプレゼンを行う。 
グループプレゼンの終わりには、長いこと質疑応答を繰り返えす。 
そして、最後にまたリクルーターがプレゼンを行う。 
途中1時間程度、グループで課題を割り振られ、課題を解く。 
課題は、床にあるボトルの水を、机の上にあるコップにどうやって移すか。 
道具は、輪ゴム、テープ、ストロー、ハサミ等を渡され1チーム4人から5人構成で、課題をこなす。
なんと途中で、メンバーの入れ替えを指示してきたりと、なかなか楽しいものだった。 
ちなみに、僕らのグループは時間内に、水を一滴も机の上にあるコップに移すことはできなかった。 
悔しかったので、後で一人で別の方法を試してみたら、いとも簡単にできた。 
ここまで聞くと楽しいと思うかもしれないが、この日のすべての工程が終わったのは、 
午前3時半!!! 
時差の2時間を考慮しても、22時間ぐらい起きていることになる。 
みんなも似たようなスケジュールなので、みんなくたくたである。 
グループプレゼンも、中盤からみんな集中力が途切れて、質問が出なくなる。 
リクルーターは、「みんなが質問しなくても、早く終わるわけじゃないからね。みんなが質問がないのなら、リクルーターの私が質問します。」といって、時間を伸ばしてきた。苦笑。 
次の日は、朝7時に朝ご飯を食べ、7時半にバスに乗り、石油の掘削現場へ向かう。 
次の日にちゃんと起きれるように、みんなで携帯電話の番号を交換したり、ホテルのフロントでモーニングコールをお願いする。 
現場を見学して、昼ご飯をまさかのウェンディーズで食べる。 
その後、ラボを見学した後に、ホテルに午後6時に戻り、出口面接を行う。 
こんな強行スケジュールでみんな疲れているから、ホテルのエレベーターの中で、 
みんなの弱気な本音・発言が聞けることが面白かった。 
そして、出口面接で「まだわが社に興味がありますか?」と強気な質問が胸にぐさりと刺さる。 
出口面接を終わった後は、ご褒美の夕食にありつける。さすがにこの夕食は非常に豪華にステーキだった。 
12時前半にホテルに戻り、爆睡しようと思いきや、次の日のフライトが朝6時に出発する。 
また、みんなでお互いを起こしあったり、モーニングコールをお願いする。 
空港に到着して、僕のフライトがキャンセルされたことを知っても、残念がるだけのエネルギーすらなかった。 
こんなに中身の濃い経験はなかなかできない貴重な体験だった。 
面接を終えて僕は疲れたけど、一番疲れているのはリクルーターじゃないかな。 
リクルーターの皆さん、御苦労様です。